こーし さんの投稿
うどん
2026年5月訪問うどんという食べ物には、どこか人生の敗残者を慰めるような、妙なやさしさがある。華やかな料理ではない。寿司のような威厳も、ステーキのような傲慢さも持たぬ。ただ白く、静かに湯気を立て、疲れた人間の胃袋へ、するすると滑り込んでくるのである。私は時に、人間よりもうどんの方が信用できるのではないかと思う。熱い出汁に浸された一本一本が、「まあ、そんなに思いつめるな」とでも言うようで、なんとも情け深い。殊に冬の夜など、うどんを啜る音だけが、この世に許された小さな幸福のように感じられるのである。
なん
2026年5月訪問ナンというものは、どうにも人を甘やかす食べ物である。私は最初の一枚を食べ終える頃には、すでに十分満たされているはずなのに、「おかわりできますよ」と店員に微笑まれると、断る勇気を失ってしまう。もはや空腹ではない。ただ、焼きたての湯気を立てる白いナンを見ると、自分の意志の弱さを試されている気がするのである。 ふわりとして、しかも妙に手になじむ。カレーを掬えば、たちまち幸福な気分になる。私は人生について深刻に悩んでいたはずなのに、気がつけば「次は少し小さめでお願いします」などと、実に卑小な交渉をしている。人間の苦悩も尊厳も、案外ナン一枚の前では無力なのかもしれない。
パリエトワール
2026年4月訪問ナンおいしい あの焼きたての香ばしさとふわもち食感。外側はほんのりパリッとしてるのに、中はしっとりしていて少し甘みがある。この甘みがスパイスの効いたカレーとめちゃくちゃ相性いい。 次に、バターやギーのコク。表面に塗られたバターがじんわり染みて、噛むたびにリッチな風味が広がる。これだけで単体でも普通に美味しいレベル。 あと忘れちゃいけないのが、タンドール窯で焼く独特の香り。高温で一気に焼くから、ほんのりスモーキーで、家のオーブンじゃ出せないあの風味が出る。 最高!